Génération de roses

madameHのバラ色の人生

半分解展とは…

バラ色blog

カッコいい♡コートの原点は軍服

皆さま、おはようございます。

昨日はちょっと風が冷たい東京地方でした。

美術館が軒並み臨時閉館になりましたが

兼ねてから興味津々のマニアックな展覧会。
最終日と言うことで行って来ました。

衣装標本収集家…でありモデリストの長谷川彰良さん個人が開催の展示会。

何処のサポートも受けずに
個人で開催する展覧会って凄いです!

TOP画像のジャケットも半身を解体して
どの様に構築されているのか検証しパターン(型紙)にするわけです。

1931年「アメリカ海軍オーバーコート」

Pコートの原型ですね。
今、見ても非常にカッコいい!

この様に解体したものを型紙にします。

職業柄、こう言うの見るとワクワクしちゃう♡

あぁ、こう言う風にダーツが入ってるんだ…とかね

細い衿のステッチの意味とか…

軍服は全て機能的な意味の有るディテールが満載なんです。

わぁ、細い仕様書…@@
それにしても、美しい仕様書です。

型紙で実際に作った見本を着用することが出来ます。

見本用の圧縮生地だけどシルエットが良く分かる。

カッコいいでしょ⁈

かつてのゴルチェやヴィヴィアン・ウエストウッドなどの
コレクションにこんな感じのジャケットがあったような…

マニアックな展覧会なので
業界のパターンメーカーと思われる方々が多く
見本をチェックする目つきは真剣そのもの…

見本だけでなく美術館クラスの服も
実際に触ったり、着てみることも出来るのが凄く嬉しいです。

1860年、アメリカ南北戦争ニューヨーク州民兵のコート(本物)

同じものがメトロポリタン美術館にも所蔵されてるそうです。

これ…実際に着せて頂きました。

すご〜く重いです。
メタルボタンが50個、肩章部分には鉄板も入ってるし

写真は無いけどコスプレでちょっといい気分になった↗︎

装飾テープが華やかなコートは
18世紀末〜19世紀初頭、欧州の貴族に仕える「召使いコート」

「フットマンリヴァリー」

見栄えの良い「召使い」を揃える事は
富の象徴だったそうで…

貴族の服と形は同じだけど、素材を変えて作るので
これは丈夫なウールです。

貴族はシルクベルベットなど、だったのでしょうか…

1890年の「フットマンコート」

ルーヴル美術館の向かいにあったルーヴル百貨店が(へぇ、有ったんだ)
製作したコートですって

フットマンは「人間アクセサリー」??

フランス革命後、「フットマン リヴァリー」は
どんどん派手になって行って仕える主人よりも目立つ存在に…

フットマン=人間アクセサリーとは?

条件は…高身長で容姿抜群のイケメン←私も好き♡
(但し中身は問わず⤵︎)

着映え、見栄えのするヤツを仕わせるのが
貴族の見栄だったんですね。

容姿重視だったので「仕事出来ないヤツ」も多かった。

…こんな面白いエピソードも諸々披露されていて

とても楽しい展覧会でした。

「袋みたいな簡単服」がファッションの主流になってる今ですが

構築的なパターンの軍服コートやジャケット
装飾を施した凝った作りの服の数々…

ファッションを志すひとたちに観て貰う機会が
もっと有るといいです。

残念ながら、国立規模の「服飾美術館」がないですよね。日本には。

そう言えば、見栄えで選んで失敗したこともあったわ…遠い目